夢中とは「夢の中」と書きますから、「夢にまで出てくるほど頭から離れない」という状態でしょうか。ですから、もちろん起きている間は、ちょっとした隙間時間でも、ふっとそれが浮かび上がってきます。集中とは少しニュアンスが異なり、対象が目の前になくても、放っておいても常に心の中に存在する、そういった状態が夢中です。この「夢中力」が備わっているかどうか、幼少期から発達段階に応じて、本気で一つのことにハマって取り組んだ経験があるかどうか、近頃、これがとても大切で必要なことなのではないかと感じています。集中はできても夢中になれない、とでも言いましょうか、継続すれば一段階アップできるのに、あっさり諦めたり止めてしまったりといった印象を受けます。
特に中学生の勉強でいえば、ある意味、「テストのために勉強する」という目的意識が強すぎるあまり、テストがゴール、テストが終わると何もしない・・という無意識に近いマイナス習慣によって、多くの子どもたちが「継続」を途絶えさせてしまいます。日曜は休みなので勉強しないというのも同じです。そこで大きな差が生じています。本来、学習とは学習能力向上のためにあり、あくまでテストは客観的な指標を得るツールにすぎません。点数や結果よりも、自分の「実感」を大切にしたいという気持ちがあれば、自分との戦いは続きます。継続する、夢中になれる、そのカギはこのあたりにありそうです。そして、「受験勉強」と「入試」は、この尊さをトコトン教えてくれる大きな機会です。
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by chikushin-column
| 2024-11-13 15:42