変わる学力観 #161号(2016年11月)



【アクティブラーニング】 教員からの一方向的な講義で知識を覚えるのではなく、生徒たちが主体的に参加、仲間と深く考えながら課題を解決する力を養うのが目的。そうした力を養う授業手法として、グループワークやディスカッション、体験学習、調査学習なども有効とされる。



2020年教育改革に向けて、巷では、このアクティブラーニングという「言葉」だけが先行しているようです。マスコミ、特に新聞が煽っているように見受けますが、正直、力みすぎの感が否めません。勇み足にならなければよいのですが。

大改革の目的は、子どもたちの主体的・能動的な学習を推し進め、従来のペーパーテスト中心の評価システムから脱却すること。そのために、授業では双方向のやりとりやグループ学習を取り入れ、授業自体のあり方を変えていく、そういった手法の総称がアクティブラーニングです。しかしながら、これらの学習手法は目新しいものでも何でもなく、大学では、例えば研究発表やゼミの場では、ごく普通のことですし、小中学校でも以前からさかんでした。むしろ、初等教育では、そういった「学び合い」の授業が多いために、基礎・基本を定着させるための授業時間が不足しているとも言えるくらいです。

さて、このように現状を捉え直すと、小中高大と続く学校教育において、「高校」での授業スタイルや評価システムだけが旧態依然としたままだという指摘があり、そこに改革のメスを入れるためには、どうしても大学入試とセットで検討する必要が出てきた、とそういう経緯のようです。近い将来、センター試験の廃止も含め、大学入試のあり方自体が大きく変わりそうですが、これは従来の学力観(主として正確な知識とその量を問う)だけではない新タイプの学力観、すなわち「課題解決能力」や「対人能力」なども評価の対象としていく、そういう時代の到来を予感させます。現実的な問題として、そういった能力を公正に点数化できるのかという懸案事項は残りますが、今や東京大学でも推薦入試を導入する時代、グローバル社会では「多様性」が一つのテーマになりますから、今後、入試の選抜制度もさらに多様化していくことになりそうです。
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by chikushin-column | 2016-12-12 13:35

毎月お渡ししている塾生保護者様への塾報(ちくしん通信)から、「塾長コラム」欄を抜粋したものです。どうぞ、ご一読ください。(文責 今井)


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