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新しい学力観 #196号(2019年10月)



時代の大きなうねりの中で、教育の世界においても、従来の価値観に加え、新しい要素が学力の定義に組み込まれるようになりました。➊知識・技能の習得➋(➊を基にした)思考力・判断力・表現力の養成 ➌主体性を持ち、多様な人々と協働して学ぶ態度、現在この3つが次世代に向けた学力観とされています。そして、近年のこういった国の施策と連動して、それを評価する「入試」においても、手段やあり方だけでなく、テスト問題の中身までもが非常に高度なものへと様変わりしていることを私たち親世代は知っておく必要があります。一問一答的に暗記で乗り切れるものが極端に減っており、そういった入試問題の変化を意識してか、近隣中学校の定期テスト問題も数年前と比べてグッと難しくなっている…そういった実情があります。保護者様も、一度、お子様の解いてきたテスト問題自体を見てあげてください。今の子どもたちは大変。小学校高学年あたりから学力の二極化が一気に進行している感があります。


昨今、大学入試における英語4技能評価の是非や、共通テストの記述採点問題といった混乱ぶりばかりがニュースに取り上げられていますが、これからの時代、大学入試を迎える高3段階になって慌ててその対策勉強をしても、正直かなり厳しい状況に立たされることは間違いありません。仕組み自体の問題として、後から取り返そうにも時間も手段もない、そういう時代になっていきます。先行した方が圧倒的に有利ですが、ただ、かといって、幼児期からの早期英才教育とはまた少し違う気もしますね。とにかく、思考・判断のベースとなる「基礎学力」を小学生のうちに整えておけば、あとは成長段階に応じて少し先を見て計画的に取り組むことによって、進路選択にも余裕が生まれてくるはずです。また、母語(日本語)を使いこなす能力、これがものすごく「効く」時代になります。そういう意味でも「国語4技能」がさらに大事になっていくでしょう。


by chikushin-column | 2019-10-28 18:43