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体と脳の関係性 #219号(2021年9月)


パラリンピックの走り幅跳びをテレビ観戦していたのですが、遠くへ跳ぶためには、やはり何といっても「助走」なんだなと感じました。もちろん空中でのフォームや角度、着地も要素としてあるのでしょうが、踏み切った後、コンマ何秒でそれらを修正するのは至難の業。大ジャンプを成功させるには、助走の完成度と踏み切りの正確性が絶対条件のようです。(陸上ド素人なので間違ってたらごめんなさい(笑))

スピードが速ければいいというわけでもなさそうですね。それに、選手個々で助走の距離も違いました。距離を長くとる人、短めの人、いろいろです。また、選手の装着している義足について調べてみたところ、いくつかのメーカーがあり、性能の向上にしのぎを削っているようです。選手・コーチの想いや要望に応えるべく、チームも協会も企業も一体となってサポートしているというわけです。

さて、選手は皆それぞれ、踏み切り板までの「歩数」や「リズム」に一定の「型」を持っていました。試行錯誤を繰り返し、体にしみ込むまで練習し、再現性を高め、身につけたスキルなのでしょう。それは、心が身体を動かしているというより、むしろ、身体が心や脳を制御している、そんなふうに私には見えました。
 
これとよく似たことは、実は勉強にも当てはまるのではないでしょうか。アタマで考えているだけでは勘違いミスが出やすく、さらには論理の飛躍や思考の矛盾にも気づきにくい。ですから、予防策として、①手を動かす ②思考過程を書く(声に出す) ③自分の脳内を見える化する、このような「動作」が有効なのです。常に手を動かしながら、自分と対話する、学習にはそういう意識や態度が必要です。


by chikushin-column | 2021-09-22 15:05