さて、今回のコラムは「対策」という言葉に潜む危うさについて、少しお話をさせてください。
学習に限らず、対策とはリスクを減らすための限定的な手段という意味合いですが、やや近視眼的な響きを持つ言葉です。対策は万能ではありません。対策はあくまで応急措置の範疇を出ませんし、その上澄みをすくうような対策が効果を発揮するには、大部分を占める本体、言い換えれば実力が整っていることが条件になります。実力とは身にしみついている能力ですから一朝一夕にというわけにはいきません。対策は目的ではなく、あくまでも手段の一つですし、また、過去の事例にはない予期せぬことが起こったとき、とても脆いものであることも想定しておく必要があります。
近年、コスパやタイパといった効率性や即効性に飛びつく風潮が強くなっていますが、こと学力に関しては、特効薬のようなものはなく、短期的表面的な対策をつぎはぎするだけでは肝心の実力がともなっていきません。範囲が限定的な場合はそれでもいいのですが、入試や模試では太刀打ちできないのです。受験生が志望校対策として「過去問」に取り組むことも出題パターンを知るうえで必要ですが、過去問ばかりを何年分解いても得点率がアップしないのならばそれはどんな問題にも対応できる基礎基本が身についていないことが要因です。一点一問を争うことになる直前期は、対策が功を奏すこともありますが、秋の始まりにあたる今の時期は基本内容の穴をなくすほうが先決です。
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by chikushin-column
| 2024-10-12 18:31




